コルニクス
◆SEVEN
「え…知らない!?」
ステルラもクリュさんも知らないと言った…今。
「ええ。大体、その人の名前はなんて言うのよ」
「名前は…知らなくて…」
「はあ?何その人、すれ違ったことしかないセルの一目惚れの相手?」
「ちーがーいーまーすー!!」
「じゃあ何で名前も知らないの?」
「お…教えてくれなかった」
「嫌われてんじゃん?」
グサッ────────。
最後のクリュさんの一言は、私が一番気にしていたことで。
心の奥深くまでグサリと貫いた。
「………」
「ちょっとクリュ兄。私にバンバン言い返していたセルが、クリュ兄の言葉に黙りこんじゃったわよ」
「うん。今やべって思った」