コルニクス
「それで…飛ぶんですか?」
「そうだよ」
「誰がです?」
「俺とキミだよ」
「私、行く必要、ありますかね?」
「あるよ。手当てしてくれるんでしょ?」
だから来て。と手招きされる。
私と彼の間には20メートルくらいの距離があった。
大股で彼に近づく。
空を飛べる……!!
今日は嬉しいこといっぱいだな。
村を追い出されたのに。
全部、彼のおかげだ─────。
「それだよ、それ」
「へ?」
急な指摘に頭が追いつかず、間抜けな声を出してしまった。
「何その移動手段。超気になるんだけど」
大股で跳ねてきたら…。
そりゃ変に思うよね。
「これは…」
…答えたくない。