コルニクス
エレベータを引く。
「奴の気流に乗るんだ。エンジンふかせ。歯ぁ食いしばれ、加速度に堪えろ」
クリュさんの的確な指示に怯えたり緊張したりする暇は無く、ただただ知識だけで動く。
初めてだとは思えないほどおもいきったことをしていた。
黒い機体も追われていることに気づいたのか、速度が上がる。
「無理だ。燃料が無い。諦めろ」
「諦めたら次はいつになるの!?」
「は!?何が…っ!」
こんなことクリュさんに言っても仕方がないのに。
結局燃料を使い果たし、徐々に徐々に高度は下がっていった。
速度も完璧におち、黒い機体は朝日の方へ消えた。
ステルラ・トランスウォランスは海に着水する。