年下彼女に負ける俺-1-
「どういたしまして。」


小さな声で言った彼は、私の頭を優しく撫でてくれた。




それだけで安心できたから、まるで魔法のようだった。

聡ちゃんの胸に顔を埋めたままでいると、余計なことを聡ちゃんから言われた。





「小さな声で俺のこと呼んでくれた時、可愛かったよ。」


フッと笑いながらどこか余裕な彼は、いつにも増して大人な気がした。




だけど私はボッと一瞬で恥ずかしくなった。

きっと顔や耳が真っ赤なはずだ。



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