年下彼女に負ける俺-1-
「んー…しばらくそのことについては考えたくないです。」


そっかと言った喜嶋さんは、私の頭を撫でてくれて、その姿が聡ちゃんと重なっていた。





今隣にいる人が、喜嶋さんではなく聡ちゃんだったらな…と思えば、さらに胸が苦しくなった気がした。

そんな胸を片手でおさえながら聡ちゃんを見れば、彼は一人寂しそうに花火をしていた。





「聡ちゃん…」


いつの間にか、聡ちゃんのことを呼んでいた。






「聡介のところに行ってくれば?」


喜嶋さんにそう言われた途端、身体は勝手に動いていた。
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