年下彼女に負ける俺-1-
「聡介が、美桜子が熱出したから頼むって言うから。」


紗枝香さんはそう言いながら、私のおでこを触ってきた。

まだ熱いねと言った後に、食欲はある?と聞いてきた。





「ちょっとだけなら…」


質問に答えた私のお腹は、ほんの少しだけ減っていた。




「じゃあ、お粥でも作るね。」


一言そう言えば、紗枝香さんは居間を通ってキッチンの方へと行ってしまった。





ベッドの中でゴロゴロしていても、気分は変わることもなく、身体も熱い。


聡ちゃんだけでなく、紗枝香さんにまで迷惑をかけてしまっている私は、なにをやっているんだ。





もう自分に呆れてなにも言えない。

はぁ…とまた溜め息をすれば、さらに自分自身が嫌になった気がした。
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