年下彼女に負ける俺-1-
それにしてもさぁ…と、お粥を食べる私を目の前で見ながら紗枝香さんは話し始めた。




「どうして傘もないのに雨の中聡介の家に来たの?」


私に聞いた後、聡介から聞いちゃったと紗枝香さんは笑いながら言った。





「それは…」


聡ちゃんにさえも言えてないというのに、紗枝香さんに言えるわけない。

そう思っていたのに、なぜか口は開いていた。





「実は同じクラスの男子に突然告白されて…そしたら急に聡ちゃんに会いたくなっちゃって…」


そっかと言った紗枝香さんはまた聞いてきた。





「それって聡介は知ってるの?」


「まだ知らないです。」



紗枝香さんは再びそっかと言った。

そんな紗枝香さんの言葉に、彼女がどう思っているのか不安になってしまったり。
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