年下彼女に負ける俺-1-
「聡ちゃ…ん。」


力なくニコッと笑えば、聡ちゃんも笑ってくれた。







聡ちゃんは、私から離れると今日はここまでと言った。


「美桜子は熱だし。最後まで…できるわけない。俺もうつったら困るし。」


そう言うと、私のことをベッドで寝かせてくれて、布団もかけてくれた。




「ごめん。俺のせいで熱上がっちゃったな。」


悪いなと謝る顔を見せながら、寝室を出ようとする聡ちゃん。

でも私は、聡ちゃんにどこにも行ってほしくなかった。





「待って。いかないで。」


呼んでおいて恥ずかしくなった私は、布団で顔を隠す。



そんな私を見て笑った聡ちゃんは、椅子に座ってそばにいてくれた。
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