年下彼女に負ける俺-1-
「もう嫌だ…」


そんな私に、どうしたの?と優しく聞いてくれる聡ちゃん。

だけど聡ちゃんを見ると、さらに胸が苦しくて…もうどうしようもできない自分がいた。




信号が赤になったところで、私は静かに言った。


「しばらく…会うのやめない?」

言ったところで後悔した自分もいて、この時点で心の中の私は混乱中。





「俺は嫌だ。我儘で悪いけど、いつでも俺のこと頼れ。」


私の頭を強引にグシャグシャとして、ニッと笑った聡ちゃん。



その笑顔を見れたことが嬉しくて、涙が出そうになった。

もちろん、涙が出そうになったのはそれだけじゃないんだろうけど。




制服のスカートの裾をギュッと握りしめては、こぼれ落ちてきそうな涙を私はこらえた_。
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