年下彼女に負ける俺-1-
「瀬川さん、落書きはダメですよ。」

ニッコリと言う武智先生は、やっぱり今日も怒らない。




「放課後に課題をやってくださいね。」


武智先生が教卓の方へ戻りながらそう言ったところで、私に向かって声が聞こえた。





「お前、バカじゃん。」


声がした方は向かずに、そんなことを堂々と言うお前もバカだよと心の中で思いながら、ノートに落書きを続けていると、武智先生が言った。




「では、浅間君も放課後に課題をやってくださいね。」


浅間の名前が聞こえた瞬間、笑わずにはいられなかった。

どうやら、さっきのことを言ったのは浅間だったらしい。



バカだー…と小さな声で言いながら、こっそり笑った。




そんな授業も楽しくて、私にとっては最高だった。
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