年下彼女に負ける俺-1-
「それとも、もしかしたら美桜子違いかもな。」


「なにそれ。」


「2組にもいるんだよ。美桜子って名前の子がさ。」


「へー。」





机の中から本を取り出した浅間は読み始めた。




「だから、その子も昨日が誕生日だったんじゃねえの。」


「ふーん。じゃあ、あとで2組に行ってみよ。」




本を読みながら話す浅間に、よく頭に入るねとツっこみながらも、彼の話に耳を傾ける。





「まっ、お前と違って可愛くていい子だよ。あの子こそ女の子っていうんだよ。」


「あーそうですか。どうせ私は可愛くないし、女じゃないですよ!」





浅間に向かって怒っていることをアピールする。

だからなのか、浅間がこれ以上なにか言ってくることはなかった。
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