高天原異聞 ~女神の言伝~
「――痛い、美咲さん?」
自分のほうが痛みを堪えるように、慎也が聞いた。
美咲は弱々しく首を横に振る。
あまりにも優しく抱かれて、胸が痛い。
「……痛くないから、好きにして」
背中に腕を回して縋りついた。
ゆっくりと慎也が動き出した。
美咲を気遣うように。
徐々に速まる動きに、美咲は背を仰け反らせ、短く叫んだ。
一際強く、深く貫かれて、美咲の内部はその快楽に堪え切れないように痙攣した。
続いて、慎也が自分の熱を吐き出した。
避妊具越しに、美咲にもそれがわかった。
慎也が慎重に美咲の身体に体重を預けて抱きしめた。
「ずっとこうしていたい。離れずに、いたい」
まるでこれが最後のように聞こえて、美咲は幸せなのに泣きたくなった。
そして抱き合ったまま、気絶するように眠り込んだ。