高天原異聞 ~女神の言伝~
大気に満ちる神気もまた、悲しみに打ち震えていた。
――女神の悲しみが、伝わる。
――我らの女神が悲しんでいる。
――記憶が戻りかけているのか。
――彷徨える神が、女神と出会ったぞ。かの神は我らの味方か?
――女神の御味方か?
――わからぬ。
――護らねば。
――女神の悲しみは我らの悲しみ。女神の望みは我らの望み。
――女神の望みを叶えるために、我らは目覚めた。
――護らねばならぬ。我らから女神を奪おうとする全ての神から。