高天原異聞 ~女神の言伝~
7 交合い
一歩進むごとに、身に着けている衣服を脱いだ。
簡易な衣服は帯を外せばするりと床に落ちる。
結い上げた髪を押さえる髪挿しを抜くと、長い髪がはらりと落ちた。
御柱に沿って男神と出逢うときには、互いに、一糸纏わぬ姿であった。
顔を上げて男神を見ると、熱い眼差しが自分を見つめている。
なぜか、その眼差しに今まで感じたことのない羞恥を感じて思わず胸元を手で隠した。
だが、伸びてきた大きな手が胸元を隠した手を押さえて開いた。
柔らかな膨らみが露わになり、先ほどのように熱い視線が注がれる。
「――様?」
その沈黙に耐え切れずに声をあげたのは、自分のほうだった。
「――。そなたは美しい――」
欲望にかすれた声が漏れ、男神が自分を褥に優しく押し倒した。
重なった肌の熱に驚いたが、すぐに自分も熱くなったので気にならなくなった。
あらゆる敏感な部分を弄られ、自分の喘ぎが八尋殿に響く。
その度に自分達の神気が溶け合うように揺らめき、大気へ散った。
これ以上は耐え切れないと思ったとき、両脚を大きく開かされ、濡れて潤った内部に男神の熱い熱が挿し入れられた。
あまりの快さに身を仰け反らせ、泣いて悶えた。
神気が激しく揺らぎ、神威が満ちた。
同時に登りつめたとき、神が産まれた。
激しい欲望を秘め、揺らめき続ける――それは世界の全てを照らす、姿無き、心無き、太陽と呼ばれる物になった。