スリーポイント
よく見てみると、まだそれはキャップをあけていないみたいだけど、彼も同じ物を飲んでいる。
ちらり、と視界の隅に入った彼の鞄の中には同じ物がまだいくつか入っていて。
だから私は、ありがたくそれを貰うことにした。
「…重ね重ねすみません。…ありがとうございます」
「いや。まだいくつか入ってっから気にせず飲んでくれよ」
はは、と彼の照れたような笑い声が公園に響き、また美味しそうにごくごくと飲む音も聞こえる。
私はそれを聞きながら、貰ったスポーツドリンクをごくりと一口飲む。
レモンと塩分の爽やかな味が口の中に広がり、少し落ち着いたような気がして。
私…、何やってんだろ…。
また人に迷惑かけて…。
つい、貸して貰っているタオルをギュッと握る。
そして、またスポーツドリンクを一口飲んだ。