スリーポイント





少しの間沈黙が流れる。

何もしていないこの公園は、当たり前だけどすごく静かで。


…だけど、この沈黙は嫌いじゃなくて寧ろ好き。

なんか、変な気を遣わないで済むっていうか…悪く言えばただ楽なだけかもしれないんだけどね。



ボーっとタオルとスポーツドリンクを片手に、無性に見たくなったバスケットゴールを眺める。


またバスケしたい。

でも、私は一度捨てた。…大好きなバスケを。



「よっこらせ、っと!」


一人で悶々と考えていると、彼がスタッと勢いよくベンチから立ち上がる。


「っ!」


その反動でベンチから落ちそうになったけれど、頑張ってこらえる。


…危なかった。






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