スリーポイント
「さて、練習すっかな〜」
そう言って地面に転がっていたボールを手に取ると、ダムダムとドリブルをついている。
そして……。
ガンッ
「っああ!やっぱ入んねー!!」
見事に外した。
「ぷ…っ」
いつもの光景をこんな間近に見ることができて、私は少し笑ってしまった。
さっきとは別人のような…、ギャップが面白くて。
「な…っ!?何笑ってんだよーっ」
いち早く気付いた彼が、ボール片手に少し怒る。
「あ…、ごめんなさい。あまりにも楽しそうにするものだから」
しまった、と思った私は謝ったのはいいものの、どうでもいいことを口が滑ってしまった。
気付いたときには、彼が口をポカーンと開けていて。
わわ、どうしよう…。
私、絶対変なこと言っちゃった…!