スリーポイント
こつん、と彼の肩に頭をのせる。
最初はビクッとしたけど、頭にかざしている彼の大きな手に力が抜けた。
私、ほんと何やってるんだろ。
高校生にもなって、人前で涙流すとか…一生の恥かも。
「…ごめんなさい。ちょっとだけ、いい、ですか…っ?」
「ああ。いくらでも」
ああ、彼ってお人好しだなぁ。
いつもなら、恥ずかしくてすぐに離れるんだろうけど、なぜか彼の体温が心地よくて。
目を瞑って、負担になりすぎないように体を預けた。
「……っ…」
…涙を溢さないよう、唇をきつく噛み締めながら。
私達のいる寂れた公園には、手から滑り落ちたバスケットボールがコロコロと転がっていた。