スリーポイント
「携帯忘れるって…なにか慌ててたのか?」
呆れたような顔で私を笑う彼に、少しムッとしてしまう。
好きで忘れたわけじゃないし。
いつもはちゃんと持ち歩いて…るし。
「いつもは、ちゃんと持ち歩いてるもん」
「わ、果歩先輩怒ってる?」
「いや、怒ってないよ」
私が怒ったと思って焦っている彼が面白い。
でも、なんだろ。
彼は毎日平日は18時までにはこの公園に来ていて、土日は朝早くから来ていたときもあった。
じゃあ、私って…。
「ある意味、休みなし…?」
「?果歩先輩?」
今更だけど、ものすごい面倒なこと引き受けちゃった…。
そう思った途端、大きなため息が出て、彼が不思議そうな顔をして首を傾けたのだった。