一目恋探偵事務所
私が手にしていたソレは、・・・・尻尾だった。
「・・・しっ・・・ぽ・・・?」
「ぉう、尻尾。んでさー、痛いカラ、放してくんない?」
そう言われ、私は手を放した。
「んでさー、いいかげん、こんな尻尾ついてるヤツ誰だよ?トカ思って顔見てみたら?」
「えっ・・・で・・・でも」
私はそう言い、ちょっととまどう
だって・・・だって!!もしオバケとか、ありえないケド妖怪とかだったらどーすんの!?
そんなの恐ろしくて見れませんて!!
そんなことを思いながら一人でボケとツッコミをしていると、聞き返してきた。
「でも、なんだよ?もし醜い恐ろしいヤツかなんかだったらどうしようってか?」
「うっ・・・」
あてられてしまった。
「うん・・・」
「はぁ・・・大丈夫だって!俺、絶対イケメンダカラ!!」
「そんなこと言いきるってどんなヤツよ!?」
私はそういい、思いっきり顔をあげてしまった。
「・・・・・・。」
「どうだ?俺様のカッコよさにホレちまったか?」
「・・・か、」
「ん?」
「かっっっわいいいいい!」
そう。めっちゃかわいかった。
「は!?かわいいんじゃねぇよ!カッコイイんだよ!」
怒りながらそう言ってくるのも無視して、私はじぃ~っと見た。
その人は、私が思っていたものとはかけ離れてかわいい小学生くらいの男の子で、11歳くらいに見える。
だけど、普通の男の子とはちょっとどころか、かな~り違う。
薄い赤っぽい髪の毛に、頭には動物のミミのようなものがついている。そして、尻尾は握ったからモチロンある。洋服は着物?和服?のような変わってるけどかわいい服。頭には狐のお面みたいなのまで付けている。
なぜこんな変わった格好を?・・・まあ似合ってるケド・・・
「お、おい!お前!」
そう言われて私はハッと我に帰る。
「あ、なに?」
「お前、名前は?」
「名前?砂渡紅」
「砂渡紅・・・ね。うん、悪くない。」
「え??」
意味が分からず、私はボケ~っと男の子を見る。
「よし、紅。今日からお前と俺は主従関係を結び、お前に俺のある事件的なモノを解決するための手がかりその他もろもろを手伝ってもらう。」
「・・・え?主従関係?事件的なモノ?手がかり?」
「そ!んまぁ、お前が俺のご主人だから、紅のもなんか解決してほしいこととかあったら協力すっから!」
「へ?・・・ホントに!?じゃ、じゃあいいよ!」
「お、ぉう、まじか!やったあ!契約ラクショーじゃん♪」
かわいく男の子が喜んでいる。
やっばいかわいいな・・・ま、私のも手伝ってくれるっていうし、いっか♪
「あ、てゆーか、キミ、名前は?」
「オレ?、俺の名前は一目恋」