嵐の日から(短編)
嵐の日から
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ちょうど嵐がきて二週間がたったある日のことです。
イヴァンは、しばらく放っておいて郵便受けにたまった広告やら不必要な手紙を一瞥しては次々とごみ箱へ放り投げていきました。
そして、また一つと手紙をつかんだときです。
彼は思わず驚きの声をあげてしまいました。
それもそのはずです。
六年間も、ただ一方的に手紙を送っていた相手から届いたのですから!
「ベラ…」
それは懐かしい顔が心に浮かんでくるようでした。
ペーパーナイフを使って丁寧に封を開けると、そこには細かく形の整った文字が並んでいました。