TAKE MEDICINE この世界で誰が正常でいられると?
だけどみんな脱力している。
飽きている。

またこの手の話?
つまんねえなぁ。
もっと面白い話はないの?

周りのクラスメートたちは、次々に姿勢を乱していった。

そんな興味関心全くなしの雰囲気が、体育館に漂っていた。
わたしは男がどういった反応をするのか、少し楽しみに思っていた。


「まあ……いいでしょう。運命は変えられないのですから」


もう伝わらないことを感じ取ってか、演台からのそのそと降りるサングラスの人。
わたしは普通の反応だなぁ、と少し落胆した。
もっと愕然とするとか、逆上するとか、ちょっとした刺激的なシュチュエーションを期待していたのに。

だがその最後の言葉に引っかかる。
みんなが「運命」という言葉に反応したとき、凄まじい声が聞こえた。


「――お、お前ら……逃げろ!」

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