TAKE MEDICINE この世界で誰が正常でいられると?
「よかった……よかったわ、更沙ちゃん」

耳元で幾度も囁かれる言葉。

よくないよ。
どこもよくない。

交通事故ってなに?
わたしはトイレに行ったから助かった?

それ、全部嘘だよ。

わたしたちはその一週間、地獄にいた。
交通事故で死ねたなら楽だった。
交通事故は一瞬だもの。

だけどわたしたちは、一週間も地獄で苦しんでいた。

そんな簡単に事実を隠さないで。
本当の悲劇をみんなに教えてよ。

そう思ったけれど、自分から言う気にはなれなかった。

「……生きる意味が、分からないよ」

ぽつりと呟いた言葉に、叔母さんが優しくわたしの頭を撫でた。
いつもは安心するその行為。
だけども今だけは、その手を振り払いたくなった。
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