TAKE MEDICINE この世界で誰が正常でいられると?
「いいのよ。あなたが悪いわけでもないでしょう?」

わたしの思考を止めるように、おばさんが言った。
朗らかに人のいい笑みを浮かべているのだが、どこか悲しそうだった。

「でもよかったわ。舞香にこんな素敵なお友達がいるなんて、本当によかった」

舞香と目元が似ているとか、仕草が似ているとか、ああ、駄目だ。
やっぱり舞香とおばさんは親子で、だから似ているところがある。

おばさんを見ていると、舞香を思い出す。
そうすると、じわりじわりと目尻が熱くなる。

おばさんの方が悲しいはずなのに、わたしが泣いたら駄目なのに。
弱いなぁ、わたし。
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