TAKE MEDICINE この世界で誰が正常でいられると?
ふと時計に目をやると、もう五時半を回っている。

やばい。
叔母さん、絶対に心配している。

たぶん五時くらいには帰ってくる。
そう言って出かけたのに。

体育館の窓から出て、急いで校門に向かっていると、ステーキを忘れたことに気が付いた。

「わたし……ついてないなぁ」

愚痴を漏らしながら再び体育館に戻り、ステージに置きっぱなしだったステーキの入った袋を引っ手繰った。
そして走って窓から飛び降り、華麗に地面に着地する。

「走って帰らないと、六時回っちゃうや」

校庭を横切ろうとした瞬間、わたしは体に違和感を覚えた。

動悸が……高まった?
久しぶりに走ったからかな。

そう自己解決しようとしたが、なにか引っ掛かるものがある。

なんだろう。
嫌な予感がする。
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