TAKE MEDICINE この世界で誰が正常でいられると?
窓や出入り口は全て塞がれてしまっている。
おまけに時間も分からない。
何かで眠らされていたので、今が昼なのか夜なのかの予測もつかなかった。

――これ、監禁じゃないのか。

わたしは全く自分に縁がないと思っていた単語を思い出した。
行動の自由を奪うって、正しくこのことじゃないのか。

逃げ道なんてものは存在しない。
わたしたちはお互いの顔を見合わせて、困り果てた。
だけどみんな、同じ気持ちなのだろう。泣きそうな、悲しそうな、強張った顔をしている。

輪の中からしくしくとすすり泣く声が聞こえた。
わたしだって泣きたかった。
だけど男子が見ている。他人が見ている。
そうやって強がって、涙を必死に堪えた。
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