TAKE MEDICINE この世界で誰が正常でいられると?
必死で抵抗している先生の悲痛な声。
それほど大きくないはずなのに、体中にこだまして、わたしを罪悪感に陥れる。

やめてくれ。お願いだ。死にたくない。殺さないでくれ。やめろ、やめてくれ。

一番信頼して安心できる存在。
わたしたちを支えて、勇気付けてくれた先生。

そんな先生が、いま、苦しめられている。

わたしたちはただ間仕切り向こうを見つめていた。
先生の声は、いつのまにかやんでいる。
わたしはもう間仕切りも見られなくなって、目を逸らした。

そのときおもむろに後ろを振り向いた。
目に入るのは苦しそうな顔をしたクラスメート。

声を押し殺して泣いている者もいた。
強く唇を噛み締めて悔しがっている者もいた。
そしてそれらは皆、ちらりと定期的に間仕切りを見つめていた。

誰もが隔てられた向こう側の世界を知りたがっている。
だけどそこには恐怖が広がっていることを理解して振るえている。

そしていつか自分はそこに行くのだと確信している。
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