TAKE MEDICINE この世界で誰が正常でいられると?
わたしは嬉しくって一生懸命に頷いた。
本当は言葉で「もちろん」とか「誘ってくれてありがとう」とか言いたかったのだが、少々ハードルが高すぎた。

わたしの頷きぶりにか、彼女はぷっと吹き出した。

「緊張しないで? ていうかわたしも緊張してるんだけどね」

わたしが彼女の言葉にきょとんとして見返すと、彼女は穏やかな表情でわたしに告げた。

「柳川さん。わたしね、柳川さんと友達になりたいと思ってたんだ。だからちょっと緊張気味なの」

照れたように頭を掻く彼女を見て、わたしの涙腺は不覚にも緩んだ。

こんなわたしとでも仲良くしようとしてくれる人がいるじゃない。
必死でわたしに話しかけてくれているじゃない。
こんな純粋な目を持っている子が、ひどいことを考えているわけないじゃない。

仲良くすることを自分から拒否していてどうするの。
誰とも仲良くなれるわけないじゃない。

「うん……ありがと……」

わたしはやっとの思いで、掠れた声になってしまったけれどそう言った。

「あっ、わたしの名前は吉沢舞香。舞香って呼んでね? 柳川さんのことは更沙って呼んでいい?」

わたしは再びぶんぶんと頭を縦に振った。
そんなわたしに舞香はにっこりと微笑んで、これからよろしくと元気よく言った。
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