TAKE MEDICINE この世界で誰が正常でいられると?
「舞香はどこにも行かないで。ミヅキみたいにどこかに行かないで。もうこれ以上わたしを寂しくさせないで」
嗚咽交じりの声で、舞香に必死で訴える。
ものすごくわがままを言っている、と自分でも感じた。
だけど言葉は止まらない。
舞香にひどいことを言ったときのように。
「もう、嫌だよ。……誰も失いたくない。せめて舞香だけは、どこにも……いか、ないで」
わたしの頭を押さえる力が少し強まる。
それと同時に押さえる手が少し震える。
「うん」
舞香はただそれだけ言うと、わたしの頭を優しく撫でた。
まるでお母さんのようだと、わたしは泣きじゃくりながら感じた。
愛を、優しさを、温かさを感じる。
その短い時間での行為に、無言の行為に。
生き甲斐だった母、もういない母、わたしを一人残して逝った母。
十三年間しか触れ合えなかったお母さんの顔が、ふとわたしの脳内に浮かんだ。
傍から見れば最悪な母だった。母ともいえないような母だった。
それでもわたしはお母さんが大好きだった。
わたしを裏切ったけれど、独りぼっちにしたけれど、愛している。
その人は紛れもなくわたしのお母さんで、わたしを一生懸命産んで、わたしを育ててくれた人だから。
しゃくりあげながらわたしは必死で舞香の体に引っ付く。
もう誰も失いたくないから。
手を離したら舞香がどこかに行ってしまいそうだから。
そんなわたしに、舞香は宥めるかのようにずっと頭を撫でていてくれた。
その温かさと優しさがまたわたしの涙を誘った。
嗚咽交じりの声で、舞香に必死で訴える。
ものすごくわがままを言っている、と自分でも感じた。
だけど言葉は止まらない。
舞香にひどいことを言ったときのように。
「もう、嫌だよ。……誰も失いたくない。せめて舞香だけは、どこにも……いか、ないで」
わたしの頭を押さえる力が少し強まる。
それと同時に押さえる手が少し震える。
「うん」
舞香はただそれだけ言うと、わたしの頭を優しく撫でた。
まるでお母さんのようだと、わたしは泣きじゃくりながら感じた。
愛を、優しさを、温かさを感じる。
その短い時間での行為に、無言の行為に。
生き甲斐だった母、もういない母、わたしを一人残して逝った母。
十三年間しか触れ合えなかったお母さんの顔が、ふとわたしの脳内に浮かんだ。
傍から見れば最悪な母だった。母ともいえないような母だった。
それでもわたしはお母さんが大好きだった。
わたしを裏切ったけれど、独りぼっちにしたけれど、愛している。
その人は紛れもなくわたしのお母さんで、わたしを一生懸命産んで、わたしを育ててくれた人だから。
しゃくりあげながらわたしは必死で舞香の体に引っ付く。
もう誰も失いたくないから。
手を離したら舞香がどこかに行ってしまいそうだから。
そんなわたしに、舞香は宥めるかのようにずっと頭を撫でていてくれた。
その温かさと優しさがまたわたしの涙を誘った。