TAKE MEDICINE この世界で誰が正常でいられると?
四日目
いつしかわたしたちはとても仲良くなくなって、お互いを名前で呼び合うようになった。
こんなに人と仲良くなったのは初めてだったので、わたしは途轍もなく嬉しかった。
舞香というかけがえのない存在ができて。
「更沙、今日街寄ってく?」
「あー……ごめん。早く帰れって言われてるんだ。明日でいい?」
「うん。構わないけど、なんかあった?」
舞香はするどかった。
わたしの態度が少しでも違うと、すぐに気付いてくれた。
それが嬉しくて、くすぐったくて、いつも無理して笑ってしまう自分がいる。
気遣われるということが愛されていると認識してしまって。
心配そうな言葉をかけられるといつも嬉しくなってしまう。
そんな感覚を持ってしまったわたしは、ちょっぴり歪んでいるのかもしれない。
否、ものすごく歪んでいるのだ、わたしという人間は。