TAKE MEDICINE この世界で誰が正常でいられると?
恐怖と隣り合わせの日々。
それが終わるのは自分が死ぬ時。

怖くない人なんて、いない。

「あと三日、か」
「どれだけ耐えられるかなぁ……だけど残されるのもきついしね」

ふと呟いた舞香の言葉に考えさせられる。

ミヅキはわたしと負の感情を残して死んでしまった。

きっと立ち直れなかった。
舞香が手差し伸べてくれなかったら、悲しみと寂しさで押し潰れてどうにかなってしまっていただろう。

それを思うと、残されるのは辛いことが分かる。

「舞香は、残さないでね。わたしを置いていかないでね」

約束というよりは、我が侭な願望。
いくら懇願したって叶うことはないのだから。

そんなこと分かりきっているのだけど、約束せずにはいられない。
きっとこの約束は、わたしの心を安定させる薬だ。

わたしの言葉に舞香が悲しそうに微笑んだ。

「……うん」

そしてゆっくりと、目を伏せて呟く。
だけどその声はわたしの耳に届かなかった。
小さな舞香の声は、誰かの悲鳴によって消されてしまったのだ。
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