22cmと束縛彼氏!
陸side
雛の答えを俺は知っていた。
けれど、後から思い返し、やはり七海の冗談とか、俺を言いように動かす嘘ではないのか、とか。
そう、思っていた───
後ろの人々がやってきた電車に乗り込んでいく。
ざわざわ、と表現できる人々のざわめき。
雛の声は、停車しようとした電車の音にかき消されてしまった。
雛の顔が紅潮しているし、唇も動いていたから、雛の声を俺が聞き取れなかったのだろう。
「悪い、雛・・・聞き取れなかった」
「え?・・・ぁ、うん。そうだね。電車、来ちゃったもんね」
「あぁ・・・祐介待ってるから、もう一本後にしねぇとな」
「うん・・・」
「で、ごめん。雛は・・・誰が好きなんだ?」