LAST EDEN‐楽園のこども‐
小六の秋の頃だった。


卒業目前の転校だった頼知は、クラスメートに田舎者とからかわれていたことがある。


何を言っても笑われる。


何をしても、馬鹿にされる。


無論、そんな子供のすることを気にする頼知ではなかったが、誰もが物珍しそうに遠巻きに彼を眺めている教室の中で、声をかけてくれたのは涼だった。


涼の第一声は、今でも覚えている。


それは、「佐々木君の手、おっきいね」だった。


隣の席に座り、教科書をめくっていた頼知の指を見つめてそう言った涼の顔を、頼知は忘れることができない。
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