LAST EDEN‐楽園のこども‐
悲しい問いかけだった。
答えなど初めから期待していない、独り言のようだった。
「友達ぐらい、自分で決める」
そうキッパリと言い放った涼に、誰がそれを間違いだと言えるだろう。
「自分が迷惑を被ることになってもか」
龍堂が訊ねる。
先ほどよりは、いくらか和らいだ口調で。
目の前の少女が、噂どおりの問題児ではないような気がして、龍堂はさらに言葉を重ねた。
「それで、自分が傷つくことになってもか」
しかし涼は、龍堂の問いに返事もしなければ、頷きもしない。
気の短い龍堂は、焦れたように言った。
「幼子ではないのだ。もっと責任のとれる範囲の行動を取れ。先生方にご心配をおかけするような友人付き合いは、やはり関心できんな」
まるで、時代劇に登場する目付けのような口調に、学級委員長のような発言。
そのアンバランスさをせせら笑うように、涼は龍堂を斜めに見上げた。
「じゃあ、あんたは大人なのかよ」
あたしもあんたも、生まれてたかだか十数年じゃないか。
龍堂は一瞬ムッとした顔をしたが、確かにその通りなので、即座に反論できない。
言葉を躊躇していると、やがて涼がつまらなそうに呟いた。
答えなど初めから期待していない、独り言のようだった。
「友達ぐらい、自分で決める」
そうキッパリと言い放った涼に、誰がそれを間違いだと言えるだろう。
「自分が迷惑を被ることになってもか」
龍堂が訊ねる。
先ほどよりは、いくらか和らいだ口調で。
目の前の少女が、噂どおりの問題児ではないような気がして、龍堂はさらに言葉を重ねた。
「それで、自分が傷つくことになってもか」
しかし涼は、龍堂の問いに返事もしなければ、頷きもしない。
気の短い龍堂は、焦れたように言った。
「幼子ではないのだ。もっと責任のとれる範囲の行動を取れ。先生方にご心配をおかけするような友人付き合いは、やはり関心できんな」
まるで、時代劇に登場する目付けのような口調に、学級委員長のような発言。
そのアンバランスさをせせら笑うように、涼は龍堂を斜めに見上げた。
「じゃあ、あんたは大人なのかよ」
あたしもあんたも、生まれてたかだか十数年じゃないか。
龍堂は一瞬ムッとした顔をしたが、確かにその通りなので、即座に反論できない。
言葉を躊躇していると、やがて涼がつまらなそうに呟いた。