Sugarless -君だけがいた時間-
Chapter.1
私が彼の手によって牢獄に閉じこめられてしまったのは、まだあまりにも幼かった、高校生の頃だ。
牢獄なんてちょっと物騒な例えだけど、ある意味、本当にそうだったのかもしれない。
廃部寸前の写真部の部室はいつもしんとしていて、私と彼のほかに、息をしているものは何もなかった。
私は高校時代の大半を、この部室ですごした。
一番好きだったのは暗室だ。
漆黒のカーテンの内側。
光の届かない場所。
だけど、わざわざ暗室じゃなくても良かったのかも、と思う。
部屋はもともと日当たりが悪く、太陽はつねに遮られていた。
あの部室そのものが、世界の暗室だったのだ。
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