Sugarless -君だけがいた時間-
Chapter.4
招待状が届いた。
象牙色の上質な紙に、小さなバラの模様があしらわれたその封筒には、ふたりの名前が連名で書いてあった。
楓と別れたあの夜。私は郵便ポストを久しぶりに開いて、中身を全てゴミ箱に捨てた。その次の日に招待状が届き、空っぽのポストに一通だけ封筒が入っているのを見て、また泣いた。
式場は都内のホテルだった。
私は返信用ハガキを投函すると、短大時代のトモダチのマリコに、電話をかけた。
「ねえ、明日さあ、ケーキバイキング行かない?」
うん、行く行く。と電話の向こうで、マリコが答えた。