最初で最後の恋
彼女は俺の隣だった。

看護士さんと仲良く話していた。

看護士さんが出てった後、彼女は、
『名前は?』
って俺に優しく聞いた。

幼い子供に話しかけるように。
その時の彼女の表情には哀しみなんてひとかけらも見えなかった。

『高本碧。』

俺は彼女の変わりぶりに動揺して無愛想に答えてしまった。
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