先パイとあたし

「柚葉、行こう。」

「あっ、うん。」

あたしは、柚葉を強引に連れ出し、その場を離れた。

「ねぇ、いいの?」

柚葉は遠慮がちに聞いてきた。

「もう良いんだよ...。」

自分に言い聞かせるように、そう言った。

裏切られたことへのショックは、並じゃないんだ。

心を開いたのに...。

男を信じたのに...。

恋が出来たのに...。
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