先パイとあたし
「でもさ、話くらい聞いてやっても良いんじゃない?
確かに、信じてた人に裏切られるのって辛いよな。
それはわかる。俺もそうだったから。」
柊哉先輩は、どこか寂しそうな顔をした。
「でも案外、ちゃんと向き合ってみると真実って見えてくるもんだよ。
もう1回ちゃんと話してみたら?」
「...あたしにはきっと無理です。
そんな勇気ありませんから。」
「そっか...。」
「じゃぁ、あたしはこれで。」
「急に呼び出して悪かったな。」
「いえ。」
あたしは逃げるように屋上を出た。