先パイとあたし
教室に戻ってからも、柊哉先輩に言われた言葉を思い返していた。
”ちゃんと向き合ってみると真実ってみえてくるもんだよ”
「...無理だよ、あたしには...。」
そのまま、時間だけが過ぎていった。
気がつけば、もう放課後になっていた。
陽太先パイはもう教室へは来なかった。
帰ろうとしたとき、メールが届いた。
送信相手は、奈乃チャン。
奈乃チャンってゆーのは、月花学院の矢竹奈乃花(Yatake Nanoka)。
あたしが奈乃チャンと会ったのは、2ヶ月くらい前。
近くに新しく出来た、喫茶店に行ったときに会った。
奈乃チャンは、そこでアルバイトをしていた。
「あのー、その制服って星蘭高校ですよね?」
突然、店員さんに声をかけられた。
「はい、そうですけど...。」
何だろう、この人?