先パイとあたし

教室に戻ってからも、柊哉先輩に言われた言葉を思い返していた。

”ちゃんと向き合ってみると真実ってみえてくるもんだよ”

「...無理だよ、あたしには...。」

そのまま、時間だけが過ぎていった。

気がつけば、もう放課後になっていた。

陽太先パイはもう教室へは来なかった。

帰ろうとしたとき、メールが届いた。

送信相手は、奈乃チャン。

奈乃チャンってゆーのは、月花学院の矢竹奈乃花(Yatake Nanoka)。

あたしが奈乃チャンと会ったのは、2ヶ月くらい前。

近くに新しく出来た、喫茶店に行ったときに会った。

奈乃チャンは、そこでアルバイトをしていた。

「あのー、その制服って星蘭高校ですよね?」

突然、店員さんに声をかけられた。

「はい、そうですけど...。」

何だろう、この人?









< 106 / 280 >

この作品をシェア

pagetop