先パイとあたし

「ヒロさん。」

あたしを追いかけてきたのは、さっき話しかけてきたヒロさんだった。

「ヒロでいいよ。」

「あっ、はい。それより、どうしてここに?」

「姫佳チャンのことが心配でさ。」

「えっ、あ、大丈夫ですよ。もう帰りますから。」

「嘘だね。帰るつもりないでしょ。」

「えっ。」

「顔に書いてあるよ。”まだ帰らない”って。」

「そんなわけないじゃないですかぁ!(笑)」

「そうだった?(笑)」

この人、悪い人じゃないんだろうな。


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