先パイとあたし

親戚は、そんなお兄ちゃんに呆れたんだ。

そして次の日から、あたしとお兄ちゃんの2人暮らしが始まった。

でも、学生のあたしたちがたった2人で暮らすのは、やっぱり難しくて。

お兄ちゃんは、高校を中退しようとまでした。

学校が終わってからも、バイトばかりして。

1番楽しいはずの高校生活は、バイトだけで終わっていった。

友達と過ごす時間なんて、きっとなかっただろう。

どんなに忙しくても、あたしのことを最優先に考えてくれて。

あたしが寂しい思いをしないよう、必死だった。

でもそれが、逆に見てて辛かった。

お兄ちゃんはこんなに辛い思いしてるのに、あたしには何も出来ない。

それが、すごく悔しかった。



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