先パイとあたし


そして時間が過ぎるのは早く、気が付けば放課後になっていた。


はぁ、憂鬱...


少しして先パイが教室に来た。


「姫佳、陽太先輩来たよ。早く行かなきゃ!」


「えっ、あー、うん。本当に来たんだ。
どうしよう...。」


「”どうしよう”って行くしかないでしょ!」


「だって、男は苦手だし...。」


「でも、陽太先輩は知ってるんだから大丈夫でしょ!」


「そうだけど...。」


「ほら!早く行きな!」


乗り気になれないまま、荷物を持って先パイのところに行った。


あたしが来たのを確認すると、先パイは何も言わずに歩き出した。


あたしは、先パイの隣を歩けず2歩後ろを歩いた。


お互い何も話さないまま、学校を出た。




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