先パイとあたし
「確かに、初めは遊びだった。
本当にごめん...。」
先パイは頭を下げながら言った。
「でも、今は違う。
本気で姫佳のことが好きだ。
姫佳が笑ってくれるだけで嬉しくて、少しでも喜んでほしくて。
バカみたいだけど、ほんのささいなことに必死になるくらい。」
先パイは、逸らすことなくあたしをまっすぐに見た。
「俺、本気で姫佳が好きだ。」
先パイのその目は、あまりにも真剣で。
目を逸らすことが出来なかった。
いつになく真剣で、どこか寂しげで。
ほんの少しだけ涙が見えた。
それを見た瞬間、あたしの胸は締め付けられた。
どうして、そんな寂しそうな顔をするの...?
その瞳の奥に、必死で涙を堪えて...。