先パイとあたし
昼休み。
「なぁ。なんで俺のこと許してくれたの?」
突然、先パイに聞かれた。
「お兄ちゃんに言われたんです。」
「えっ?お兄さん?」
「この前、お兄ちゃんに先パイのこと話したんです。
そしたら”ちゃんと話聞いてやれ”って。
”そうじゃなきゃ、お前もその人も後悔する”って言われて。」
「そっか。じゃぁ、お兄さんに感謝しないとな。」
本当は、柊哉先輩のあの言葉も心に響いたんだけどね。
まぁ、それは言わないでおこう...。
「仲良いんだな。お兄さんと。」
「えっ...あ、まぁ。2人兄妹なので。」
言えない...。
両親がいないなんて。
また、あんな風になりたくない...