先パイとあたし
そう言えば、絶対に別れを切り出さないとわかっていたから。
あたしは、ずるくて最低な人間なんだ...。
そのまま付き合い続けて、何日かたったある日。
彼氏の女・ミキがあたしのところへ来た。
「姫佳、ちょっと話あるんだけど。」
あたしはすぐに察した。
晴くんの話をしたいんだということに。
「姫佳ってさ、晴と付き合ってるんでしょ。」
やっぱり。
「うん。そうだよ。」
「うちも晴と付き合ってるんだけど。」
知ってるし。
「うん、知ってる。
晴くんがミキを好きなことも知ってる。」
「だったら、どうして別れないの?」
「好きだから。」
「えっ?」