先パイとあたし
「晴くんは、あたしに同情してくれてたんだよね。」
「同情なんてし・・・」
「晴くんさ!
1回”別れよう”って言おうとしたよね。
でも、あたしがそれを遮ったから、言わなかったんだよね。
本当はね、あの時わざと言ったんだ。
晴くんと別れたくなくて。
大切な人を失うことが怖くて。
ずるいことしたの。
ごめんね。でも、もういいよ。
ミキのとこ行っていいよ。
あたしは、もう大丈夫だから。ねっ!」
「姫佳、ごめん...。」
「晴くん。今までありがとう。
すっごく楽しかったよ。バイバイ。」
あたしは必死で笑顔を作ってそう言い、別れた。
それから1ヶ月くらいして、あたしはある事実を知ることになった。
そう。
晴くんの本性を。