先パイとあたし

「晴くんは、あたしに同情してくれてたんだよね。」

「同情なんてし・・・」

「晴くんさ!
1回”別れよう”って言おうとしたよね。
でも、あたしがそれを遮ったから、言わなかったんだよね。
本当はね、あの時わざと言ったんだ。
晴くんと別れたくなくて。
大切な人を失うことが怖くて。
ずるいことしたの。
ごめんね。でも、もういいよ。
ミキのとこ行っていいよ。
あたしは、もう大丈夫だから。ねっ!」

「姫佳、ごめん...。」

「晴くん。今までありがとう。
すっごく楽しかったよ。バイバイ。」

あたしは必死で笑顔を作ってそう言い、別れた。


それから1ヶ月くらいして、あたしはある事実を知ることになった。

そう。

晴くんの本性を。








< 148 / 280 >

この作品をシェア

pagetop