先パイとあたし

「姫佳?!お前、なんでここに?」

バシッ

「最低。」

あたしはそう言って、晴くんの頬を叩いた。

すると、晴くんの表情は一気に冷たくなった。

「お前、人の話盗み聞きしてたのかよ。」

「どうして?」

「は?何が?」

「あたし、そんなに重かった...?
別れたのって、親が原因...?
あたしの親が死んだから、あたしたち別れたの...?」

「...あぁ。そうだよ。」

「な、んで...?
そんなの、どうしようもないじゃん...。」

あたしは、晴くんにすがりついた。

それでも、晴くんは顔色一つ変えず、平然としていた。

「じゃぁ、ミキのことは?」

「告られたから、受け入れただけ。」




< 150 / 280 >

この作品をシェア

pagetop