先パイとあたし
どうして、先パイが奈乃チャンの名前を呼んでるの...?
奈乃チャンは、どうして先パイに抱きついてるの...?
「陽太!ずっと会いたかった。
あたし、やっぱり陽太じゃなきゃダメなの...。」
あたしの思考は、一瞬にして止まった。
気づいたときには、やっぱり走り出していた。
「姫佳!」
先パイが呼んでいたけれど、そんなの耳に入らなかった。
「行かないで!あたしたち、もう1度やり直せないかな?」
あたしは何も考えたくなくて、ただがむしゃらに走った。
走りつかれた頃、やっぱりあの公園に着いた。
この場所は、いつもあたしを落ち着かせてくれる。
先パイと何かあるたびに、あたしはここへ逃げてきていた。
「どういうこと?奈乃チャンが先パイの元カノ?」
1人混乱していた。
「姫佳チャン?」