先パイとあたし
一通り、案内し終えた。
「これで全部。」
「さんきゅ。ついでだから、一緒に飯くわね?」
「あー、うん。」
まっ、いっか。
1人で食べるの嫌だし。
そんな軽い気持ちだった。
誰もいない屋上で、晴くんと2人でお昼を食べた。
晴くんは、昔と少し変わっていた。
髪も少し茶色に染められていて、ピアスまでしていた。
まぁ正直、興味ないけど(笑)
この時、あたしは知らなかった。
あたしたちの歯車が、微妙に狂い始めていたことに。
不覚にも、気づかなかったんだ。